6月24日は第80回『ロジかわ会』。
「ロジかわ流~仮説思考力アップ講座~」いよいよ最終回となりましたが、今回のテーマは?
「日常でも実践! 仮説思考で問題解決」
フェルミ推定、ご存知でしょうか?
わたし、とあるセミナーで以前やったことがあるのですが、めちゃくちゃ苦手でして。
まさか今回のロジかわ90分、すべてフェルミ推定させられるとは。汗
レポートにするにあたり、いろんな葛藤が生じましたが……
まぁそこは恥を捨ててお伝えしていこうと決意いたしましたので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
ではお馴染み、まずはアイスブレイクからいってみましょう!
日本に冷蔵庫はいくつあるでしょうか?
→ まず数を出してください
→ 論拠、計算式を教えてください
ソッコー、むり!!
と大声で叫びました。(心でね)
論拠・計算式、聞くだけで拒否反応。
以前参加したセミナーでは、勝手に焦ってればよかったわけですが、
今回はそうもいかない。だって、発表しなきゃいけないから!!
ということで、とりあえずスタート。
(菅沙絵脳内の声)
日本の人口1億2千万。
ひとり1台は持ってないから、世帯数がわかればいいね。
何世帯くらいあるかなぁ?
でも会社にも冷蔵庫3つはあるし、飲食店にもかなりあるよね。
家電量販店もあるし。
えっと、計算計算。
あー、でも全部考えてたら時間ないよ。
じゃあざっくり、ひとり1台ってことで。笑
●A.1億2千万台
恥を捨ててチャットに打ち込みました……
さて、みなさんの回答は?
●9,000万台
1世帯が半分くらいで6,000万、それ以外は平均3世帯として2,000万、ホテルやオフィスなど住宅でないところに1,000万
●7,000万台
人口の半分、1家庭2人で6,000万、企業・お店で1,000万
●5,489万台
日本の世帯数5,419万、飲食店70万
うん、同じ3分なのに、みなさんしっかり論拠を持って台数を出されている。
諦めが早い性分、もっと粘り強くフェルミ推定に立ち向かおうと誓う。
ところで、フェルミ推定とは?
実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手がかりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること。
最近では、思考力をみるために採用して面接の試験でも使われる。
★冷蔵庫の回答例★
【考え方】
世帯数 = 冷蔵庫の台数
世帯数を出せばOK!
たとえば、1,2,3,4人暮らしの人が同じくらいいるとするなら……
【必要な前提知識】
日本の人口 1億2千万人
【計算式】
(1+2+3+4)÷ 4 = 2.5
1億2千万人 ÷ 2.5 = 4,800万世帯
約5,000万世帯 → 約5,000万台
※実際には、400万台の販売、輸入数で、耐久年数10年とすると4,000万台くらいは想定される
※工場や店舗などをあわせた考え方もある
トレーニング!〜日本全国に歯医者の数はいくつあるか?〜
さきほどの赤っ恥で、もう吹っ切れた私。
与えられた時間は5分。
冷静に窓の外(駅前の歯医者)に想いを馳せながら思考スタート!
(菅沙絵脳内の声)
駅前だけでも2軒。
歯医者さんってかなりたくさんあるって聞いたことある。
最寄駅でいくつあるかな?
いや、そんな規模から考えてたら時間なくなるっしょ。
ざっくり東京都で考えてみよう。
1千?
これが多いのか少ないのか……よくわからない。
とりあえず、ドンピシャ当てに行くからわからなすぎて迷うんだよね。
平均値として考えたら気楽に思考が進むんじゃない?
じゃこれで、1千を47(都道府県)でかけよう。
●A.4万7千
「今回は、みなさんで話し合って、ひとつの答えを出してください」 by なつみ先生
おぉ、グループでファイナルアンサーを出せばいいのね?
助かりました。
ということで、一人ずつプレゼン。
●21万
家の近所・学区に5件、市に30件〜と考えていき、【市町村4,500件 × 47都道府県】= 約21万
●18万
人口の半分が通院と仮定:1日30人、1週間150人、月に2回予約で300人。【月300人診る × 人口半分6千万人】= 18万
●10万
住んでいる市が13万人。歯医者100件と仮定。人口1,300人で1件。【人口1億2千万人 ÷1,300人】= 約10万
論拠がしっかりしていて、どれも説得力がある。
患者数から計算する、という視点が私にはまったくありませんでした……。
世の中需要と供給で成り立っているわけですから、これはあたり前の思考なのか。
ただ、経済はそうやって回っているわけですが、全国の歯医者さんがそもそも予防医療に注力したとしたら、このバランスも変わってくるのかもしれません。
予防する人が増えたら、診察する人が増える。
でも治療ではないので時間はそんなにかからない。
保険料の負担も減るかも。
この世界が、お金中心ではなく、人中心で回っていくとしたら、まったく違う世界になるんでしょうね。
と、話がだいぶ脱線しましたが、話を戻しまして……
みんなで話し合って導き出されたファイナルアンサーがこちら!
●15万
20分で一人診れる。1週間で100人。2週間に1回予約。月200人の患者さんを抱えていると仮定。日本人口の1/4が通っていると仮定。
【人口1/4:3千万人 ÷ 月200人診る】= 15万
はい、ひとりでは確実に導き出せなかった計算式です。
ロジかわチーム力、万歳!
さて、正解は……
68,500。(2019年調べ)
あら、およそ半分。。
計算式的にはナイスと思ったのですが、やはりそこにどんな数字を入れるか?
がポイントですね。
どれくらいの割合で歯医者さんに行くのか? というのも、
自分含めて周りの環境で感覚も違いますからね。
案外、ざっくり出した自分の回答が見当違いでもなかったのは嬉しいサプライズで、
感覚で行く方が実は大幅にズレは生じないのかもしれない、と感じました。
(数字を見誤ると回答がまったく違ってしまうので)
ただ、採用面接でフェルミ推定が用いられるというのは、どれくらい正解に近いか?
ではなく、どんな思考プロセスを持っているか? を試されていると思うので、
やはりそこは鍛えていきたいところです。
では回答例をみてみましょう。
【考え方】
日本全国の歯医者ののべ来客数を考えてみた。
「一箇所あたりの歯医者ののべ来客数 × 歯医者の数」
歯医者の数 =
日本全国の歯医者ののべ来客数 ÷ 一箇所あたりの歯医者ののべ来客数
で考えてみる!
1)日本全国の歯医者の来客数
「人口 × 歯医者に行く人の割合 × 歯医者に行く頻度」
→ 「1.2億人 × 40% × 7回 = 3.36億」※1年で平均7回
日本全国の歯医者ののべ来客数は3.36億回
2)1箇所あたりの歯医者の来客数
「キャパシティ × 稼働率 × 回転率/時 × 営業時間 × 営業日数」
経験則から歯医者の座席数は平均3つ、稼働率は50%、
治療に平均30分かかるとして1時間当たりの回転率を2回転(1÷0.5)とすると、
「3 × 50% × 2回転 × 8時間 × 260日 = 6,240」
1箇所当たりの歯医者の来客数/年=6240人
3.36億 ÷ 6,240= 53,846
なるほど。
冷静にみると、複雑な計算式ではないのですが、拒否反応がでるのは長年蓄積されたニガテ潜在意識所以ですね。
何事も思い込みって言いますから、「数字は紐解けるから楽しい♪」という思い込みを本日から刷り込みます!
最後に気づきと感想のシェアです
・仮定をするときに最初にどんな切り口にするか? が大事。
・普段から仮定する癖をつけると鍛えられそう。
・わからないなりに、現実的かどうか考えることが大事。
・ワークに取り組んでみて、そもそも物事を数字で考える習慣がないことに気づいた。仮説を立てる前提の数字、知識もなく、計算が苦手で、計算式にもついていけなかったけど、とても勉強になった。
・冷蔵庫は世帯数からそんなに違わないはず、というおおよその数が予想できたが、歯医者は最初のところであまり見当がつかないところからスタート。
・なつみさんの解法の良いところは、考え方さえあれば、町に何件など基礎数値がなくてもできるところ。値のブレが小さくなる。
私にとって今回の90分は、自分のニガテと真っ向勝負した時間と言えるでしょう。
始めは逃げ腰でしたが、終えてみた今、強く思うことは、
今まで見てた景色を違う角度から見ると、見える景色が変わる。
毎日の通勤。
いつも出会うにゃんこ。
はて、この町に野良猫は何匹いるんだろうか?
全国では? 全世界では?
一匹のにゃんこからも思いを巡らせることで、いつもの日常がちょっと特別なものに彩られていく、
そんな気がします。
次回のご案内
次回から新しいテーマで全3回コース(web開催)でお届けします。
テーマは……なつみ先生検討中ということですので、ぜひお楽しみに♪
単発でもわかる内容となっていますので、ぜひご参加くださいね。
■ 2023年7月22日(土)10:30~12:00
お申込み方法:ロジかわ会HPより↓↓
http://logikawa.jp/day/
(文責:菅 沙絵)